「はいーっ!」でおなじみの芸人やす子さん。その明るい笑顔と元気な姿は、今や多くの視聴者に愛されています。しかし、そんな彼女の背後には、信じられないほど壮絶な過去と複雑な家族の物語が隠されていました。自衛隊の迷彩服がトレードマークの彼女が、なぜ芸人として成功することができたのか、その背景に迫ります。
やす子さんは1998年9月2日、山口県宇部市に生まれました。彼女の本名は「安井かのん」。父親が彼女が2歳の時に家を去り、長年音信不通だったため、やす子さんは母親とともに厳しい環境で育ちました。中学生の頃には家庭の困窮が原因で一時的に児童養護施設で過ごすこととなり、高校時代はほとんどを施設で過ごしていたと言います。
やす子さんは当時の施設での生活について「ご飯もちゃんと出るし、ようやく自分の居場所ができたように感じた」と語っています。しかし、それは決して楽な生活ではなく、職員との喧嘩が絶えなかったとも言います。それでも、施設での経験が彼女にとってかけがえのない家族のような存在を作り上げ、今でも交流が続いているそうです。
やす子さんは学校でも苦しい経験をしました。彼女は高校時代、いじめを受けており、クラスに居場所がないと感じていました。トイレで弁当を食べたり、昼休みを図書館で過ごしたりすることもあったそうです。このような経験が、やす子さんの内面を強く鍛え、やがて彼女が自衛隊に入る動機にも繋がったのかもしれません。
高校卒業後、やす子さんは自衛隊に入隊しました。決して志があってのことではなく、むしろ「助けてくれ」という気持ちで自衛隊に入ったと彼女は語っています。当時、大学に行きたかったものの、施設出身の彼女には経済的な余裕がなく、田舎での生活もあって進学を諦めざるを得ませんでした。
やす子さんは自衛隊での経験を積んだ後、芸人の道を歩むことになりました。彼女のユニークなキャラクターと明るい性格が、多くの人々に受け入れられ、瞬く間にブレイクを果たします。彼女のギャグは子供たちからも絶大な人気を集め、「子供に教えたい大人」のような存在としても評価されています。
2023年には、「ブレークタレント1位」にもノミネートされ、バラエティ番組やCMなどで活躍の場を広げています。やす子さんの年収は3500万円以上とも言われており、彼女の努力が実を結びつつあります。
2023年、20年以上音信不通だった父親から突然の連絡がありました。やす子さんは父親の記憶がほとんどなかったため、その連絡に驚きながらも、再会を果たすことができました。父親も元自衛官で、やす子さんとは職業だけでなく、見た目や話し方まで似ていると言います。
この再会はやす子さんにとって、これまでの複雑な家庭環境を再認識するきっかけとなりました。彼女は父親との再会を通じて、自分のルーツを改めて感じたと言います。
やす子さんはこれまであまり公にしなかった妹の存在も明らかにしました。困窮していた時代、やす子さんは学校の給食を持ち帰り、妹と夕食として分け合っていたと言います。また、母親とは16歳から22歳まで疎遠になっていましたが、現在は関係を修復し、互いに理解を深めています。
母親はシングルマザーとして昼夜問わず働いていましたが、そのために育児が疎かになっていたこともあったようです。やす子さんは、そんな厳しい環境で育ちながらも、親孝行をしたいという気持ちを持ち続けていると言います。